FILは”Fulfilling life”をコンセプトに、阿蘇・南小国の自然や景観、文化や価値観、自然と人との深く強い繋がりを、重要なマテリアルとして捉えた製品づくりを行っています。製品を通じて、本質的な豊かさ「満ち溢れた人生とは何か」を社会へ思索することを問いかけ、自然と共存する里山での暮らしの重要性を世界に広めていきます。
なだらかに続く丘陵一面に広がる「千年の草原」。それは畜産や農業と自然が共生してきた軌跡であり、自然と人とのつながりを象徴する景観でもあります。阿蘇で暮らす人々は、“野焼き”という手法をつかって、千年以上の長き間、この美しい草原を保ってきました。
草原が手つかずとなると、害虫や外来種による影響や草地の藪化による環境の変化が起こり、生物多様性の低下が生じてしまいます。また、野焼きは草花の芽立ちを助け、春を待つ小さな生命が眠りから目覚める役割も担っています。自然の営みと人々の生業が共にあることで、命豊かな景観が維持されているのです。
FILが拠点を置く、南小国でも毎年“野焼き”が行われており、スタッフも参加しています。自然と人との共生について考え、適切に景観を保つ文化を体感すること。また、地域と暮らす人々と深く繋がりを育むことで、この多くの命が宿る美しい景観をより遠い未来まで保持していきたいと考えています。